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国産材へのこだわり

日本には幾つもの銘石があり、悠久の歴史をその身に刻み、風化することなく現代へと伝えています。石材は奈良時代から墓石として用いられ、鎌倉時代には五輪の塔や社寺の建造用として加工されるようになりました。

江戸時代には、庶民文化の興隆とともに多くの「石職人」が誕生し、庶民向け墓石の需要を支える一方、1965年頃からは、海外産の安価な輸入石が増え、海外産の石材は急速にそのシェアを伸ばしていきます。現在でも、加工費が安価な中国などで原石を加工する事で更なる石材の低価格化が進む一方で、国産石材を国内加工した「純国産」の製品は高級品となり、職人の技術と共に提供できる企業は極めて少なくなりつつあります。当社では、国産材へのこだわりを崩す事なく、千年の時を超えて思いを刻むにふさわしい国産石材の大きな魅力をお伝えして参ります。


長くそこにあるからこそ変化に強く風土になじむ

四季による温度や湿度の差といった激しい環境変化に耐え抜いてきた国産石材には、日本の風土に適合した性質が備わっています。青磁の輝きを放つといわれる「伊予大島石(愛媛県)」、淡紅色の華やいだ風合いが特徴の「万成石(岡山県)」、石質が硬く吸水性が低いことから大坂城などにも使われた「北木石(岡山県)」、独特な艶ときめ細やかな石肌の「本小松石(神奈川県)」など、日本には幾多の銘石があり200~1200年の長きにわたり、墓や建物を守り続けてきました。こうした石材が実際に使用されている建造物やお墓を見れば、経年変化の少なさや耐久性がわかり銘石と呼ばれる所以を実感できると思います。

石材の魅力を最大限に引き出す施工技術

石材はその種類ごとに特性が異なり、その魅力を最大限に生かすためには、それぞれに合わせた加工法を施す必要があります。例えば研磨によって艶を引き出す際にも、石種の特性を踏まえ、使用する砥石の種類や加工時間を細かく調整する熟練の加工技術が求められます。これを実現できるのは、当社を含めた国内の厳選された加工業者のみであり、熟練した職人が国産石材を手掛けることによって初めて、石材の真価が発揮されるのです。一方、海外の加工国では、さまざまな石種を「同じ加工法」で製品化しており、特に中国では、加工時間やコストを切り詰めて作られるせいか、仕上がりが劣る製品が多く見られます。

羽黒糖目石

茨城県で採石されます。青みを帯びた、目の細かい高級石材で美しい花崗石です。

稲田石

茨城県で採石されます。明治21年から採掘が開始され、日本を代表する中目白御影石です。

真壁石

茨城県で採石されます。青みが強く、粒度が細かい良質(優美・堅牢)で変色しない最高の銘石です。

万成石

岡山県で採石されます。美しい淡紅色が特徴故に柔らかく見られがちですが、硬い花崗岩です。

庵治石

香川県で産出される「庵治石」は構成鉱物の結晶が極めて小さく、結合が緻密な為、他のものより硬く、細かい細工が可能です。水を含みにくいため風化、変質にも強く二百年は彫られた字が、崩れたり変色したり艶がなくなったりしないとされています。

本小松石

神奈川県の真鶴(伊豆半島の付け根)の山側一帯で採掘されています。安山岩特有の緻密な石質のため産出量は少ないのですが、気品ある淡い灰緑色の色調などから高級石材として人気が有ります。